神さん木

神社では何百年も経った桧や杉を御神木として奉っています。
山の中にも御神木とはいかないまでも、”神さん木”と呼ばれる神木が存在する。これらの神木は地域の長老の方から教えてもらわない限り、普通のその辺にある木と見分けがつきません。

これまでに出会った神さん木としては、「桜」「樫」「松」の木があり、
このうち桜の木は『やず神さん』といわれ、おそらく田畑に下草等を肥料として使っていた頃に奉られたものだと思います。

樫の木は水の少ない田んぼの一番上の段にあり、水源を見守り農作物の豊作を祈って奉られていたようです。水田はもう作られておらず、ツルが無数に巻き付いていたので、取り払ってあげたのを覚えています。

松の木は、あたり全体が見渡せる山の頂上付近にあり、おそらく土砂災害が起きないよう奉ったものか、マキ炭を採るために感謝の気持ちを表したものだと考えられます。

昔は鉄砲水や土砂崩れなど災害がおこる場所に注意を払えるよう、神が住める場所をつくって生活していたそうです。昔の人の知恵も時代とともに少しづつ消えているように思えます。